ネットと現実の区別がつかない人々

 まあいわゆる2ちゃんねらーネットウヨなわけだが。
朝日とか毎日とか、左派系メディアに極端に過激な反応を示す彼ら。
どうしてそうなったのかをちょっと考えてみる。


 よく、彼らは「洗脳が解けた」とか言う。つまり、平和教育という
日教組の洗脳(このへんの認識からして既にアブナイ)を学校で受けて
いたとほざいているわけだが、果たしてそうだろうか。
 確かに、私も小学校の頃、先生から戦地の子供の写真を見せられたことが
ある。たしかホームルームだった。大人の知識と感覚を持っていれば、
「ああ悲惨だなあ」とか思うだろう。だが相手は子供である。戦争というもの
以前に国家間の争いや、そもそも世界の成り立ちというバックグラウンドを
なにも知らないのだから「汚い」といった感想くらいしか出ないことは
わかっているはずである。もちろん、平和の大切さを子供に教えることは
とても大切なことである。だが、その導入部においてうまく子供を引き込むことが
できないと、先生への反発心だけが残ることになる。


 こうして先生に反発心を持った子供はやがて、その平和教育を推進してきた
日教組に対しても不信感を持つようになる。同時に、左派系メディアに対しても
嫌悪感を持つ。特に受験で朝日新聞からの引用問題を嫌というほど見てきて、
ましてやそのせいで不合格なんてことになった子供は余計に朝日を嫌いになる。
とんでもない逆恨み。


 逆に、フジなどの右派系メディアはお笑い系の娯楽番組によって子供たちに
すんなりと受け入れられていく。彼らの笑いは人を殴ったりいじめたりする
場面にオバサンたちの笑い声のSEを入れることで、その光景を「面白い」と
刷り込ませるやり方である。
 こうして右派系メディアに「洗脳された」子供たちは左派系メディアを
毛嫌いするようになり、ひいては平和そのものを軽んじるようなっていく。


 その上困ったことに、右派系メディアは誤った報道やトラブルが起きても、
それを訂正や謝罪をせず、隠そうという姿勢が見られる。産経新聞
大見出しで誤報があっても訂正議事なんて見たことはないし、フジのドラマの
撮影中に出演者が事件を起こしたのに、それを伝えたのは数日後、しかも
短時間である。
(これについては影響がある他社も報道を控えているが)


 話を元に戻そう。
 右翼の卵となってしまった子供はやがて大きくなっていき(大人とはあえて
言わない)、やがてinternetのweb(ここでは単にネットと言い換える)と出会う。
世間で軍国主義を唱えるだけの勇気は無い彼らは、ネットという匿名で自由に
発言でき、しかも義務も責任も無い(ように見える)空間を手に入れたことで、
(彼らからしてみれば)押さえ込まれていたものを一気に放出し始める。
ネットウヨ誕生の瞬間である。